こんにちはJackです。

こんな疑問に答えます。正直インターネットで家探しの情報を探しても、ゴミみたいなアフィリエイトサイトばかりで有益な情報が出てきません。SUUMOなども各不動産会社が持っている空き部屋情報を掲載しているのですが、同じ物件が出ていたり、すでに入居している人がいても不動産会社がいつまでも掲載をしていて釣り物件になっていたりします。公共物件なども役所のHPだと募集が分かりにくいです。この記事を読めば、次の家探しで満足の行く部屋を見つけることができるようになります。私の経験を交えて解説をします。
1. 家賃以外の費用の負担は想像以上に多いです。節約したいなら都内の家探しは公共物件一択
1-1 そもそも公共物件って何?

そんな風に思われる方も多いかもしれません。私が今回紹介する公共物件は、[都道府県名]住宅供給公社と、URの2つです。
私が住む東京都には、東京都住宅供給公社(JKK)というのがあり、平成31年度実績で約12万戸の住宅を供給、一方で都営住宅などの受託を含めて34万戸の住宅を管理しています。神奈川県住宅供給公社(KJK)や、大阪府住宅供給公社というのもあります。URは独立行政法人都市再生機構が運営し全国に賃貸住居を展開し、団地の総戸数として88万戸を供給しています。昭和40年に32万戸を供給しており昔の団地ブームの立役者です。そう、公共物件=団地なんです。
ざっくり言うと公共住宅は東京ならJKK2種類とURの3つのタイプがあります。JKKは一般賃貸住宅及び都民住宅。一般賃貸住宅は単身でもファミリーでも入居可能です。都民住宅はファミリーのみ利用可、かつ所得制限(上限)があります。URは特に上限もなく単身でもファミリーでも誰でも入居できますし、所得制限は特にありません。
なおセレブの街の港区青山に、北青山一丁目アパートという都民住宅があるのですが、これは家賃20万円もするのにこの所得制限付き。この高額家賃で大丈夫なの?という謎物件です。一方すぐ隣にあるトミンハイム北青山一丁目という物件は一般賃貸住宅で家賃が20万円前後しますが上限の所得制限はなく、額面で月収40万円以上という下限の所得制限はあります。(夫婦の収入で合算できます)
ネットでこういった情報を調べると、一般賃貸住宅だの都民住宅だの漢字が並ぶ単語がワラワラ出てくるお役所文章がいやになり、たいていの人は挫折すると思います。
繰り返すと3つのタイプは1. JKKの一般(誰でも), 2. JKKの都民住宅(所得上限、ファミリーのみ)、3.UR(誰でも)の3種類ですよ。それほど難しくないですね。細かい条件などはあえて割愛します。
2-2 団地に対する疑問あれこれ
団地っていうと古くさいイメージがあって、かつ低所得者が入居すると思っていませんか?ええ、昭和末期に生まれた私は子供のころよく団地で遊んでいましたが、エレベーターもない古い建物のイメージがありました。
しかし最近できた物件には新しい設備がちゃんとついています。私が住んでいるJKKの物件は築10年以内のものですが、エレベーター完備。見た目も悪くなくて、宅配ボックス、追い炊き機能、オートロック、24時間ゴミだし可、室内バリアフリー、断熱性の高い窓ガラスなど、とても快適なつくりです。植木などもきれいに整備されており、高級とまで行かなくても一般的な分譲マンションにひけを取りません。昔の団地のイメージとは大きく異なります。
もちろん築30年の物件だと、昔の団地のイメージと大差はありませんので、借りるなら築浅物件がお勧めです。また、低年収の人が多く民度が低いのではという心配もあるかもしれませんが、JKKの一般賃貸住宅でしたら収入の上限がないため問題ありませんし、共用部は清潔で、住んでいる方もすれ違うときに挨拶をされる方が多く快適です。
中にはトミンタワー東雲というタワーマンションもあります。また、新築物件の「コーシャハイム中野フロント」などは床暖房も付いており過去の団地のイメージを覆すものです。

エントランスは豪華ですが、内廊下の雰囲気やエレベーターの内装はお役所的で、近隣のタワーマンションとの違いは素人でも分かります。
高級感を気にするのであれば微妙ですが、コスパ重視で見栄を張らない人なら必要十分。
コーシャハイム東雲の特設サイト https://www.to-kousya.or.jp/chintai/campaign/reco/tt_shinonome/index.html
コーシャハイム中野フロントの特設サイト https://www.to-kousya.or.jp/chintai/new/kh_nakanof/
1-3 家賃以外の目に見えない費用はとても大きい
シミュレーションとして、東京23区在住の共働き世帯年収800~1000万円程度、家賃月13万円で家を借りると想定します。
まずは公共物件の家賃シミュレーションを見てください。家賃12万5千円、管理費5千円の合計13万円です。敷金の大半が帰ってくると仮定して、実質家賃と額面の家賃の差は1000円以下です。
ほとんど気にすることはないです。JKKの場合火災保険料は任意なので入っても入らなくてもどちらでもいいです。入った場合月500円程度です。

一方、民間物件の方を見てみましょう。私が始めて東京で物件を借りたときと同じ条件です。敷金1、礼金1、仲介手数料1、クリーニング費(退去してみないとわからない)、鍵交換代、火災保険料、家賃保証会社必須(連帯保証人がいても)、更新料1の物件です。
火災保険料と家賃保証会社の金額は家賃7万円の物件のときのものを使っているので家賃12万円となるともうちょっと高いかもしれません。また、家賃と管理費の割合はSUUMOで探しまくった経験から一番多いパターンとしました。JKKだと管理費の割合は低めで、民間だと高めです。

細かい条件はおいておいて、賃貸物件に3年住んだ場合、民間の方は実質月14万5千円も払うことになります。7年だと実質毎月14万円程度になりますが、注目したいのは合計額の差額のところです。民間物件だと2年に1回の更新料の負担が重くのしかかり、公共物件に比べて87万円も多く支払うことになってしまいます。
住む年数によりますが、JKKやURの方が民間より家賃が1万円近く高くても総支払額は同等になります。
参考までに現在一人暮らしで家賃が管理費込み毎月7万円の民間物件に暮らしている人の場合、実質的に毎月8万円近いお金を払っていますよ。

2. 公共物件の方が公平な判断、対応をしてくれる
もちろんケースバイケースではありますが、民間の不動産会社よりも公共物件の方が公平な対応をしてくれる可能性が高いです。
私の経験からいうと、まず第一にクリーニング代のような目に見えない費用を契約書サインの時に初めて言われるということがなかったということ。
また第二に借り主と貸主の費用分担を明確にしているという点です。民間の不動産会社から借りたアパートを引き払うとき、画鋲の跡を見つけては「これはだめですね」と言われました。画鋲の跡のような小さな穴は経年劣化として借り主が壁紙の張り替え代を負担するようなことはありません。強く抗議して請求しないことを約束されましたが、非常にいやったらしいですね。
JKKの場合は冊子を渡され、そこに借り主と貸主の負担が明確に書いてあります。電球が切れたら取り換えるのは借り主の負担など。同じ条件で何万人もの人に家を貸していますのでこちらの方が安心です。
第三に、民間と違い利益を追求する機関ではないため、JKKもURもしっかり原状回復にお金をかけてくれてクリーニング代を借り主に請求することもありません。またJKKの場合、過去に敷金の返金で裁判をすでに経験済みですので、政府のガイドラインから逸脱した不公平な要求を貸主に求めることは基本的にないと思ってよいでしょう。
追記: 敷金を過剰に請求されたときの対応をまとめたnoteの良記事を見つけたのでリンクをつけておきます https://note.mu/inubue/n/n7f3fb604889a
第四に、JKKとURの物件を10軒以上内見しましたが、設備や新しさ、また利便性などと家賃のバランスがしっかりとれていて相場よりも高い物件はほぼないと個人的には思います。相場に対して高い安いは民間物件もSUUMOから大体わかりますが、JKK/URはきっちり相場を調べて合わせているなと個人的には思います。また、特にJKKは相場よりも安めの家賃が多くURは建物がしっかりしていて部屋の面積が広い分そこまで安くはないという印象でした。
3. デメリット及び注意するべきこと。
もちろんJKK/URが完璧という訳ではなくて、気をつけることもあります。まず運営組織が役所と同じような感じですので、融通は全くもって利きません。例えば民間物件なら自分で設置したエアコンを引っ越し先に持っていかず残すことも大家との交渉でできることがありますが、原状回復が原則なので難しいです。特に温水洗浄便座は付いていないことが多く、設置したら退去時に取り外す必要があります。エアコンを追加設置したときも配管時に付けた穴は敷金から引かれます。
また、JKKの場合申し込みから3週間後に家賃が発生するのですが、退去の連絡は1ヶ月前に必要です。つまり1週間家賃の二重払いの期間がどうしても発生してしまいます。
また駐車場のある物件もあるのですが、JKKでは1世帯1台までというルールがあり、URの方は駐車場の賃料が割高でした。私の住んでいる物件は駐車場が平置きなのに横幅1800mm、縦5000mmの制限があり、BMW 5 series, CX-5などは厳密に言うと駐車不可です。ただ、私の住んでいるところに横幅が1900mm超えのレクサスが停まっていたので、実際の運用はゆるいかもしれません。
4. 筆者実践済みの優良物件への入居方法
最後に、JKK/URの優良人気物件にどうやったら入居できるのかという私が実践した方法を紹介します。
4-1. 代理店を活用しよう。
代理店を使うのはお勧めです。JKKやURに直接赴いたり電話してもよいのですが、代理店を使ったほうが情報収集が楽です。実は街の不動産屋などでもUR物件を取り扱っているところもあります。ただ狙いをJKK, URなどの公共物件に狙いを定めたのであれば、公共物件に特化した「シティモバイル」<https://www.citymobile.co.jp>という不動産屋がおすすめです。銀座にオフィスがあります。ただし、新築の物件など、一部の物件は取り扱っていないのでそこはデメリットです。新築を狙うならJKKの公式HPから狙いましょう。
4-2. お客様気分を捨てよう。
民間の物件だったら空室を埋めるための営業が向こうから来ますが、都内の公共物件は人気がものすごく高くて、JKK/URから空きが発表された瞬間に埋まってしまいます。代理店から電話が来たら、たとえ仕事中であってもすぐに出ましょう。あるいは即かけ直しましょう(30分以内に)そうでもしないと両物件はほかの人にとられてしまいます。
また、代理店から積極的に「こんな物件ありますよ?」と言われないので、自分で条件に合う物件を見つけておいて、空きを確認したら代理店から連絡が来る前に自分から電話するくらいの勢いで臨むことが大切です。また、内見の時は一件一件の距離が離れており現地集合現地解散が基本ですが、私の場合は自分で車を出して午後に3軒まとめて回るということもしました。代理店の方は電車で移動すると言ってましたが自分の車に乗せて移動しました。民間の物件を探すときのお客様気分は捨てたほうが良いです。
超売り手市場の人気公共物件を狙うのであれば、不動産会社は家探しのパートナー。こちらからお願いして良い物件を融通していただく、という謙虚な気持ちで、相手をお客様扱いする心構えでいった方がうまくいきます。
4-3. 「申込み中」は内見可能のサイン、そしてキャンセルの確率も高い
シティモバイルのサイトを見ていると、「空き」「申込み中」「成約済み」の3種類があるかと思います。空きと成約済みは分かりますが、申込み中ってナゾですよね?
実は部屋を申し込んでから2-3週間以内であればキャンセルができます。すでに一度空きが出て誰かが申し込んだということは、JKK/URの場合、今その部屋に誰も住んでいないので内見ができます。また、申込み中ということはキャンセルの可能性があり、キャンセル待ちができるのです。約50%はキャンセルになると聞いていましたが、私が家探しをしていた時期はJKKが子育て世代向けに2ヶ月のフリーレントキャンペーンをやったため、著しくキャンセル率が低く1割程度しかキャンセルにならなかったです。キャンセルになった物件は築年数が古くて線路に近く、電車の音がうるさかったので私は申し込みませんでした。
4-4. 空きが出たら誰よりも早く申し込もう。
世の中すべてうまい話はないわけで、JKK/URの良い物件に住むうえで一番のハードルは「空きがすぐに埋まること」です。「空きがなかなかでない」のではなく、「空きがすぐに埋まること」です。
民間の物件であればまだ人が住んでいる状態でSUUMOなどに空き状況が出てきます。(URはわかりませんが)JKKは退去が終わってからしか空き物件がでてきません。しかし、大きいレストランは10人近くの行列ができていてもすぐに中に入れるのと同じ原理で、団地は戸数が多いため空きは常に出てきます。私が住んでいるところも基本的にJKKやシティモバイルのHPでは満室で空きがないことになっていますが、郵便受けは4-5部屋テープでブロックされています。これはすでに退去となっているが清掃等終わっておらず募集が始まっていないことを示しています。特に「トミンタワーXXX」みたいな戸数の多い物件は定期的に空きが出ます。この問題を解決するために私がおすすめするのはJKK watcherというtwitterアカウントをフォローすることです。空きが出たら通知してくれるというプログラミングを組んでいるらしく、私もこのアカウントのおかげで今の物件を見つけることができました。しかしJKK watcherが「コーシャハイムXXXに空きが出ました!」とツイートしてくれた段階ですでに申込みが入っていることもあります。https://jkkwatcher.com 代理店もJKKのHPよりも先に空き情報を入手しているわけではなさそうですので、自分でJKKのHPをこまめにチェックしても良いかもしれません。午前10時、13時、16時ごろに多くの更新がされるようですね。
5. まとめ
東京での家探しはとにかく大変で良い物件に安く住むというのは困難です。不動産会社はお金を払って物件検索サイトを利用して、同時に一店舗数万円~十万円程度の金額で取り扱える物件の情報をSUUMOに掲載します。私の実家が家を貸し出していますが、そういった利用料を取り返すために大家に礼金を取るよう求め、大家側としても礼金や更新料なしの契約を結ぶことはできませんし、修繕費もバカにならないのでクリーニング代や鍵交換代などあらゆるお金を借り主に請求しようとします。賃貸物件の借主は常に弱い立場に置かれています。唯一まっとうに家を貸してくれるのがJKK/UR等の賃貸で、彼らの物件は常に満室ですがそれでも不動産会社に成約費を払っているため借主は仲介手数料を収める必要がなく、タダで代理店を利用できます。家を貸す大家が営利組織でないというのは借主にとって大きな助けとなるのです。国がもっと積極的に公共物件を提供するべきですね。家探しは本当に大変です。
私が本記事で公開した、すぐに埋まる空き物件を押さえる方法を活用し、納得のいく物件をぜひ見つけてください!